祖父が死んだ時、私は遺灰を食べたいと思った。
わたしにとって祖父だけが「家族」だった。
優しかったおじいちゃん。怒ると怖かったおじいちゃん。煙草が好きだったおじいちゃん。甘いものが好きだったおじいちゃん。
笑った顔が可愛かったおじいちゃん。
ーーー止まったおじいちゃん。
冷たくなったおじいちゃん。
火葬場へ向かう車の中、”母親を演じる役”の人が言った。
「あなたのおじいちゃんは、本当は実のおじいちゃんじゃないの。」
嘘だと思った。いや嘘だと思いたかった。嘘だと言って欲しかった。
話してほしくなかった。
それは、離してほしくなかったからだ。
今週のお題「名前やIDの由来」
それが、わたしの由来です